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「サブプライムローン問題」に惑わされるな

「ミクロが変える経済」

財部誠一


学ばないというか、懲りないというか。
米国のサブプライムローン焦げつきに端を発した
金融市場の大混乱を目の当たりにすると、
金融関係者たちのあいもかわらぬ軽佻浮薄(けいちょうふはく)さにはあきれはてる。

株式市場は資本主義にとって最重要のフィールドである。
にもかかわらず、メインプレーヤーである欧米の投資銀行やヘッジファンドのリスク管理能力といったら素人同然で、その間抜けぶりが、ここまで世界の金融市場を大混乱させてしまったといっていい。

 私は米国の不動産事情についてこの6~7年、継続的に取材を行ってきた。単純な不動産バブル批判が当たらないと、過去に何度も発言をしてきた。しかし昨年秋の取材時には、明らかに赤信号がともっていた。マーケットの先行きは誰にもわからないが、「危うい」ことだけは認識できた。だがサブプライムローン問題で大損をした連中は、トランプのババ抜きをしている程度の認識しかなかったのではないだろうか。

 そもそも米国のサブプライムローンの焦げつき問題自体は、米国経済を底抜けさせてしまうような危機的な問題などではない。米国FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長が議会証言しているように、サブプライムローンの焦げつきによる不良債権は10兆円程度にすぎない。バブル経済崩壊で1990 年代に日本が抱えこんだ不良債権額が100 兆円であったことと、米国が日本の2倍の経済規模であることを考え合わせれば、サブプライムローン焦げつき問題が米国経済にとってどれほどのものであるかがわかる。貸し倒れリスクの高い低所得者

向けの住宅ローンは高金利だ。これを証券化すれば、ハイリスク・ハイリターンの債券ができあがる。世界中のありあまった資金をひきつけるにはもってこいだ。米国の投資銀行が証券化を行い、さらに米国のヘッジファンドがこの危ない債券を組み入れた金融商品をでっちあげた。その過程では、スタンダード&プアーズなどの格付け機関の評価が「甘すぎた」と酷評されている。

 彼らは米国の不動産価格が永遠に上がり続けると信じていたとしか思えない。ローン負担に耐えられそうもない低所得者。短期資金を借りまくって資産を拡大したローン会社。借りるほうも貸すほうも自転車操業だ。不動産価格の値上がりだけが、唯一の支えだ。
こんなデタラメな資産を担保に売りまくった連中も、買いまくった連中も、愚かのきわみだ・・・


続きはFJ11月号で


財部誠一オフィシャルホームページ


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