
前回の授業では、「金利」と「個人向け国債」について学んだ秋元玲奈。具体的な
運用手法について学ぶため、「インデックス運用」と「アクティブ運用」の違いを聞きに行く計画です。
その前に、東京証券取引所にお邪魔することになりました。
構成=濱田 優 写真=鰐部春雄
「東京証券取引所」ってどんなとこ?

予約なしで見学可能
内藤 今日はまず、株取引の現場で、その雰囲気を味わってみよう。
玲奈ちゃんは東証アローズに来たのは初めてかな?
秋元 はい、初めてです! ところで先生、「アローズ」って?
内藤 東京証券取引所の見学施設のことをそう呼ぶんだよ。
秋元 ところで見学はいつでもできるんですか?
内藤 土曜や日曜、祝日や年末年始などはお休みだけどね。10人以
上の団体でなければ予約も要らないんだ。観光名所でもあるんだよ。
秋元 早く入りましょう!? まず荷物チェックなんですね。
内藤 この受付の横にあるのが「証券史料ホール」だ。
ここには、東証の歴史に関する物がたくさん展示されているんだ。
秋元 うわー、すっごく古い株券や書類がありますね。
内藤 東証はもともと「東京株式取引所」といって、1878年にできたんだ。
「東京証券取引所」という名前になったのは戦後、1949年のことだよ。
秋元 歴史があるんですねえ。
内藤 じゃあ今度はマーケットセンターに行ってみよう。
秋元 この電光掲示板に出ているのは、株価ですよね?
内藤 そうだよ。赤色が値上がり、緑色が値下がりした銘柄なんだ。
秋元 この回っている掲示板って、経済ニュースでよく見かけます。回るスピードが速くなった!
内藤 表示されるのは、取引が成立した銘柄の名前と価格なんだけど、取引件数が増えると回るスピードが上がるんだよ。
秋元 なるほど。
内藤 この上には、パソコンで株式の模擬売買が体験できるコーナーもあるよ。予約してあるから行ってみよう。
秋元 パソコンがいっぱい並んでいますねー。
内藤 32台あって、売買体験は1日5回行われているんだ。空いて
いれば参加できるけど、どうしても体験してみたい時は、予約しておくといいよ・・・

どっちがいいの? 「インデックス」と「アクティブ」
運用手法の特徴をうかがいに、
両タイプのファンドを運用している
日興アセットマネジメントを訪問しました。

市場の動向を表す
「指数」連動
「インデックス運用」
内藤・秋元 今日はインデックスとアクティブ、それぞれの運用手法の違いについてうかがいに来ました。よろしくお願いします。
小島・瀬尾 はじめまして。よろしくお願いします。
小島 私が本日、「インデックス運用」についてご説明させていただきます小島厚子です。
秋元 名刺にある「日興AMファンドアカデミー」って、学校なんですか?
小島 ええ、一種の学校みたいなものですね。投信などを扱ってくださる販売会社の方に、商品や運用会社についてより詳しく知っていただくために来年、開校しようと準備しているんです。
瀬尾 「アクティブ運用」についてご説明します瀬尾周一です。
内藤 よろしくお願いします。
小島 それではインデックス運用から始めましょう。
まず、「インデックス」の意味ですが、「指数」のことですね。
内藤 玲奈ちゃん、指数にはどんなものがあるか知っているかな。
秋元 指数ですか? えっと、日経平均とか、東証株価指数(TOPIX)とか……。
内藤 アメリカでいえばニューヨーク・ダウとか、ナスダック指数とかもその一種だね。
小島 株式以外にも債券などいろいろありますが、指数とはつまり、「市場の動向を表す数値」のことですね。
インデックス運用とは、こうした指数と同じような成果が得られるような手法です。ですから、インデックスファンドは指数と同じような値動きをします。
内藤 日経平均やTOPIXは、ほとんどのニュースで流れるから、特別意識しなくても情報は入ってくるから……。
秋元 自分が持っているファンドが上がったか下がったかは、指数を見ればわかるんですね。
内藤 おおよそ、そんな感じと考えていいだろうね。初心者にももちろんオススメだけど、プロだって買っているんだよ。
秋元 リスクを下げるための分散投資、ですよね。
内藤 その通り。
アクティブ運用の2つの手法
瀬尾 一方で、インデックス以上の成果をめざすのが、「アクティブ運用」です。
秋元 「アクティブ」ですか。これは指数のことじゃないし……。
「活発な」という意味の“Active ”のことですよね?
たしかインデックス運用のことは“Passive”だったような……。
内藤 玲奈ちゃん、よく覚えていたね。
瀬尾 アクティブ運用のファンドでは、具体的にはファンドマネージャーがどこに投資するかを決めます。その方法は具体的に2つあって、それぞれ「トップダウン型」と「ボトムアップ型」といいます。
「トップダウン型」は、たとえば「経済状況が良くなりそうだ→インフラ整備も進むだろう→そうするとこの企業が伸びるだろう」というふうに考えるわけです。
「ボトムアップ型」は逆に、一つひとつの企業の状態を調べて、割安な銘柄を見つけてそこに投資するやり方です。
秋元 「帰納」と「演繹 」みたいな関係ですね。どちらが一般的なんですか?
瀬尾 昔は両方やっているファンドマネージャーもいましたが、今では「トップダウン型」でやっている人はあまりいないでしょう。 日興アセットマネジメントにもアナリストが20人以上いますが(8月末現在)、みな企業について丹念に調べてレポートを書いていますしね。
秋元 アクティブ運用は指数以上の成果をめざすということは、インデックスファンドよりもアクティブファンドのほうがいいんじゃないですか?
瀬尾 ですが、アクティブ運用が必ず成功するとは限りませんから……。
内藤 あくまで「めざす」わけだから。狙うリターンが高くなれば、リスクも当然増すからね・・・


