「次の一手」

心身の健康を維持するために睡眠が大切なことは誰もがわかっている。
ところが、食事に気を使っている人はたくさんいるが、睡眠に気を使っている人は多くはない。
睡眠は規則正しく一定時間取れればいいが、ほとんどのエグゼクティブには難しい。
仕事や付き合いによる夜更かし、早朝からの仕事やゴルフ、海外出張などで、睡眠をつかさどる体内時計のリズムはボロボロになってしまう。その上、エグゼクティブにストレスの種は尽きない。ベッドに入ってもさまざまな心配事が頭をよぎり、寝るに寝られない。運動不足で体を動かさないからよけいに寝付けない。
それに日本でも欧米でも、エグゼクティブの“寝てない自慢”がお互いの睡眠をさらに妨げている。「26時(午前2時)にA社長にメールしたらすぐに返事が返ってきたよ。それなのに彼は翌朝7時にはもうオフィスにきていた。ボクらの周りはみんなそんな感じだよ。やっぱりそれくらいでなきゃダメだね」などという話をよく耳にする。「睡眠は3時間で充分!」と豪語し、現代のナポレオンを気取っていたある社長は、結局、セントヘレナに幽閉ならぬ、セントルーク(聖路加国際病院)に入院してしまったが。
睡眠についてはまだわからないことが多いが、睡眠が脳と体を休ませ回復させることは間違いない。事実、ぐっすり眠れないと疲れが取れないし、仕事の効率も下がる。また、睡眠不足は食欲を増進し、メタボリック→睡眠時無呼吸症候群→睡眠不足の悪循環に陥りやすい。
睡眠には、体は眠っても脳は眠らない「レム睡眠」と、脳も眠る「ノンレム睡眠」があり、二つを一セットとして約90分の周期で繰り返す。その「ノンレム睡眠」にも段階があり、大脳まで休息する最も深い眠りを「徐波睡眠」と呼ぶ。この間に成長ホルモンが分泌され、細胞が修復される。ところが、加齢とともに眠りは浅くなり、40歳を超えると「徐波睡眠」が急速に減ってしまう。
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