
9月29日に公表された8月の全国消費者物価指数は、前年同月比で2.4%下落し、
過去最大の下落率を記録した(1971年1月以降)。前年割れは6カ月連続である。
しかも、先行指数である東京都区部における9月の消費者物価指数も前年同月比▲2.1%と最大の下落率を更新している。
これは一大事だと言っていい。
原油価格や食料価格が高騰した前年の反動だとか、電気料金が下がったからだとか、という説明で収まりのつく範囲の話ではない。経済成長の土台となる需要が冷え込んでしまったという冷徹な現実を直視すべきだ。
要するに、売れないのである。
思うように売れないから、価格で無理な引き下げを強いられているわけだ。
それに加えて、資金繰りが逼迫しているから、大幅なディスカウントをしても売り切ろうという事象が散見されている。
さらに言えば、倒産が止まっていないから、在庫処分が頻発していたり、オフィス関連の中古品が大量に出回っていたりするという背景もあるだろう。
明るい兆しは見られない。
雇用も悲惨なままだ。
8月の完全失業率は、7カ月ぶりに僅かに改善したものの、5.5%と高止まりしている。過去2番目の高水準だ。実際、8月の有効求人倍率は0・42倍と、過去最悪であった7月の水準と同レベルを維持している。
日銀が「景気は下げ止まっている」とコメントしたり、政府が「わが国の景気は、持ち直しに転じつつある」と明言するなど、景気悪化が一服したという見解が流布している。
しかし現場を見れば、その見方は明らかに誤っていると言わざるを得ない。経済は間違いなく下降している。統計数字だけを見て判断しているエコノミストたちの現状診断は甘すぎたと言っていい。
中小企業の現状や零細企業の資金繰りを見てみればいい。個人事業主の実態を調べてみればいい。カツカツの資金の中で、売り上げが大幅に減少し、将来の見込みが立たないため、万策尽きて事業を断念せざるを得ない経営者がいかに多いことか・・・
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