日経平均は1万4000円超えへ
2010年、日本は大きく復活する
ドイツ証券副会長兼CIOまで務めた後(現在はアドバイザー)、
武者リサーチ代表として世界の経済や証券市場について積極的に発言する武者陵司氏。
独自の長期予測と市場分析に定評がある同氏に今年の市場動向について聞いた。
写真=鰐部春雄

“失われた20年”がいよいよ終わる
2010年は年末にかけて日経平均が1万4000円~1万5000円まで上がるシナリオが十分あり得ると思います。理由を一言で言えば、「〝失われた20年〟が終わる」ということ。〝失われた20年〟の最大の原因だった「円高デフレが終えんを迎える」ということです。デフレが終わるのは円高が終わるためです。
ここ20年、実力以上の円高が定着し、それが日本にデフレをもたらしていた。日本の高い産業競争力から考えれば「日本は黒字だから円高で当然」とも言えますが、購買力自体は高くなく、そこでアンバランスが起きていた。90年代初頭の日本は、生活水準も生産性も高くないのに産業競争力だけ突出していた。その後、他国は物価が上昇し日本は下落した。物価上昇率の格差が10年以上ずっと続いた結果、内外価格差がなくなったのです。
昔は購買力から見た円の値段と実際の為替レートに2倍近い差があったのですが、今は購買力の水準と円レートがほぼ同じです。これ以上物価が下がり続け、高い円レートを追認する必要がなくなっている。グラフ(27ページ)は赤い線は円の購買力平価、青い線は実際の市場レートです。70年代から90年代にかけて円が急速に強くなっていることが分かります。日本の購買力は弱いのに円高になったので極端な内外価格差が発生した。これが是正されるプロセスとして、円が安くなるのではなく、購買力が高まることで実現された。これはつまりデフレです。
デフレになった原因についてはいくつか通説があります。1つ目は日銀が悪いという日銀主犯説。2つ目に一般的にいわれているのが需給ギャップ。3つ目がグローバル要因です。このうち3つ目のグローバル要因は日本に限った話ではないので、日本のデフレを説明する理由にはなりません。
では日銀が悪いかというと、確かに日銀も悪かったが、日銀の金融政策だって金融緩和を続けてきたわけで、それだけで突出したデフレの説明には不十分。需給ギャップについては「鶏と卵」で、デフレだから需給ギャップが大きくなったということもある。それ自体が日本のデフレの原因を説明することにはならないのです...



