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[第1特集]民主党。ファイナルアンサー!?
田原総一朗インタビュー

政策なんて関係ない
みんな自民党に飽きちゃった

田原総一朗氏は、政権交代で霞が関が透明化すると
一定の効果は期待しているものの、民主党が掲げている
政権公約について、単なる批判しかしてこなかった野党特有の
“分かっていない”内容になっている、と厳しく批判している。

構成=吉岡憲史 写真=鰐部春雄

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── 民主党政権で本当に大丈夫かと指摘されていますが、その真意をお聞かせください。


 会社に例えると、社長が交代する際には前の社長が新しい社長に業務の引き継ぎをします。わが社の売り上げはこうだ、こういう問題がある、こういうことをしている、こういう分野で可能性があるということを細かく伝えていくわけです。
 新社長が、新しい会社の実態や問題点を明確に理解してから会社を運営します。今、政治はこのような社長が交代するという局面にあるわけですが、自民党は民主党に対して一切引き継ぎをしないでしょうね。
 なぜなら、民主党がいい内閣をつくってくれるなんて思っていないし、つぶれてもいいと思っています。そうすると、民主党が政権をとってこの国の舵取りをしなければならないのに、財政がどうなっているのか、景気がどうなっているのかを分からないということは非常に不安です。雇用や年金など複雑なものも多いわけですが、民主党政権はすべて官僚に一から教えてもらうしかない。官僚は各省庁タテ割りだから難しい問題が多いと思いますよ。

── 民主党政権が誕生した場合、官僚との関係はどうなりますか?

 官僚がどのような態度で民主党政権とつきあっていくのかがポイントです。想定されるものは3つあります。1つ目は官僚が民主党の長期政権維持を願い、民主政権で国民が喜ぶ、つまり安心できる政策がいいと考えて民主党とともに取り組んでいく。2つ目は官僚にとって都合がいいように事象を説明する。官僚はできないことの説明の天才です。常に「それはできません」と繰り返しています。自民党は長い政権の中で、官僚が何を考えているかを分かっています。ところが民主党は経験がないから分かりません。民主党は「官から民へ」と言っていますが、逆に官僚にとりこまれるのではとも考えられます。3つ目は官僚が「やはり自民党がいい、民主党ははやくつぶれたほうがいい」と思っていて、ぶっつぶしたほうがいいと思って説明するのか。この3通りが考えられます。ただ、日本の官僚にはそんなに悪意はないでしょうから、1つ目か2つ目、個人的には2つ目になるのではないかと思います。

── 民主党の政策についてはどのような印象をお持ちですか?

 民主党のマニフェストは配分ばかりですね。高速道路無料化や子ども手当てをはじめとして、農家に1兆円、高等学校の授業料無料化などさまざまです。民主党が政権をとると家計が2割楽になるといっていますが、その金はどこから来るのかという説明が全くありません。17兆円のムダを削ってそれを配分すると主張していますが、本当に17兆円もムダがあるのか非常に疑問です。私が取材した財務省の官僚たちは「そんなものはない」と言っていました。民主党政権になったからといって、かれらが「ムダはあります」と言いますかね。17兆円のムダがもし本当にあるなら、自民党がとっくに使っていますよ。
 郵政民営化も事実上凍結するなんて言っているが、そんなことできっこありません。明らかに、社民党と国民新党の顔色をみた政策になっていてすっきりしません。参議院では単独で過半数をとれていないから仕方ないかもしれませんが。

── 民主党政策に対する国民の支持は高いものがあるようですが。

 そうでしょうか。国民が50年も続いた自民党の政治に飽きているだけです。民主党の政策には穴がたくさんありますよ。国民も利口ではないが、馬鹿ではないので民主党が財源をきちんとつかんでいないということに不安を感じています。民主党の人気は自民党と政治の混乱によるものが大きいのではないでしょうか。自民党は党内で中川さんや塩崎さんが“麻生降ろし”を進めていました。国民は「自民党の人でさえだめというなら麻生さんは本当にだめなのだ」と思ってしまいます。しかし注意しなければならないのは今国民の生活が苦しい状態にある最大の理由の政治の問題ではなく経済の問題だということです。
 昨年の10-12月のGDP伸び率はマイナス12・1%。ガクッと落ちています。今年の1-3月はマイナス15・2%ですよ。麻生さんが政権握ってからどんどん景気が悪くなってきました。企業はリストラの連続、派遣社員の首切りをさかんにやっています。こんなものは政治じゃなくて経済の問題です。民主党の政策には一行も景気を良くすると書かれていないで、自民党の批判ばかりしています。
 さらに外交や安全保障について政策でほとんど触れていません。野党だから何も考えていないのです。ここが一番大切な問題ですが、野党は日本のことを考える必要はなくていいのです。民主党は沖縄の普天間基地を県外に移設すると言っていますが、東京や大阪に持ってくるのでしょうか。あるいはアフガン戦争のためにインド洋で給油活動にあたっている自衛隊を撤退させるとも言っていますが、そんなことできないに決まっています。小沢(一郎・代表代行)さんは「沖縄の米軍は全部徹底しろ」と主張しているが、できるのでしょうか。与党になったら日本のことを真剣に考えなければなりません。大変な仕事だと思います・・・

続きはFJ10月号で


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