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[特集]誰が郵政民営化を阻むのか!?
かんぽの宿売却問題で揺れる日本郵政

鳩山総務大臣は新しい抵抗勢力か!?

「取り引きが不透明」「売却価格が安すぎる」などの理由で、鳩山邦夫総務大臣は、
日本郵政とオリックス不動産とのかんぽの宿一括譲渡契約を白紙撤回に追い込んだ。
これについて、竹中平蔵慶應義塾大学教授は本誌の取材で
鳩山氏の主張を理不尽だと批判している。
かんぽの宿は今後どうなるのか。鳩山発言を追う。

構成=横山 渉 写真=鰐部春雄


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客室稼働率7割でも赤字!?

「かんぽの宿」は、旧郵政の簡易保険加入者のための福利厚生施設である。
 簡易保険福祉事業団によって長らく運営されてきたが、特殊法人改革の一環として、日本郵政公社設立の際に、公社直営となった。郵政民営化に際しては、ゆうぽうと(旧東京簡易保険会館)と共に、かんぽ生命保険ではなく日本郵政が運営する旅館・ホテルとなった。
 2月26日の日本郵政の発表によれば、07年度の経常損失は40億円に上る。公社化以降の経営努力によって赤字幅は小さくなっているものの、かんぽの宿70施設のうち黒字なのはいまだ10施設程度といわれている。しかも、宿泊業で採算ラインといわれる客室稼働率70%超の人気施設でも、その70%が赤字だった(35ページ参照)。その理由として、人件費や外部委託費の割高体質が指摘されている。こうした無駄を見直すため、郵政民営化関連法に12年9月末までの売却が明文化された。
 このままかんぽの宿を保有し、市況が好転することを神に祈りながら、年間40億~50億円の赤字を垂れ流し続けるか、それとも一気に売却してしまうか。難しい経営判断だが、経済環境が今よりよくなる保証はどこにもない。ましてや「100年に一度」といわれる不景気だ。悪化する可能性だってある。
 少なくとも、ホテル業のプロではない日本郵政に、かんぽの宿の経営を立て直す能力はない。

「なぜオリックスか?」

 騒ぎの発端は、今年1月6日夜の鳩山氏の唐突な発言だった。九州選出の自民党議員の新年会を取材していた記者たちに、聞かれもしない一括売却問題のことを話し始めた。「李下に冠を正さずだ」と、関連手続きの認可を控えることを明らかにした。
 鳩山氏の疑問はまず、売却先が小泉政権時代に政府の総合規制改革会議議長などを務めた宮内義彦会長率いるオリックスの子会社だったことだ。鳩山氏は宮内氏が郵政民営化の議論にかかわったとして、「国民が出来レースだと思う可能性がある」と問題視した。
 確かに宮内氏は規制緩和推進派として知られている。しかし、オリックスの1月7日付プレスリリースによると、同会議でも、また「規制改革・民間開放推進会議」(総合規制改革会議廃止後に04年3月設立)でも、答申中に「郵政民営化」のテーマは出たことがなかった。竹中氏も郵政民営化の議論のプロセスで宮内氏に会ったことがないと本誌の取材に答えている。基本方針を決めたのは経済財政諮問会議であり、制度設計は内閣官房の準備室が行った。その際にいくつかの委員会もつくられたが、宮内氏がそのメンバーになったことはなかった。さらに、竹中氏はこう言う。


「政策過程にかかわった民間人がその資産売却などにかかわれない、という理屈に重大な問題がある。今や政策決定における民間人の役割は極めて大きい。いったん政策を決めたからといって、それに関係する経済活動がその後できないとなると、民間人はだれも政府の委員会メンバーにならないだろう。郵政民営化の枠組みを決めた諮問会議の民間議員は、郵政の株が売却される際、それを購入してはいけないのか」
 宮内氏は直接に郵政民営化の議論に加わったわけではないし、仮に議論に加わっていたとしても、事後にこのような契約の当事者となるのは、公正な手続きを経てさえいれば何の問題もない。ちなみに、日本郵政では入札などの売却プロセスについて公表している(34ページ参照)。
 ただ、日本郵政の主張していた「手続きの公正さ」が疑われるような事実も出てきた。昨年、婚礼・宿泊施設の「メルパルク」を民間業者に貸し出す契約を結んだ際、法律による廃止・売却期限を超える期間を設定していたのだ。鳩山氏は国会で「かんぽの宿と同じ、国民共有の財産。監督権限の範囲内で調べるよう相談する」と話した。日本郵政には今後、国民が納得できる説明をして欲しい・・・



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