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伊藤達也 改革の羅針盤
「“鳩山不況”を回避する経済財政運営のあり方」

「友愛政治」実現の最大の舞台装置が予算である。大胆に予算を組み替え、マニフェストで約束した政策を実現できるか、国民の関心は高い。しかし組み替えはうまくいかず2010年度予算の概算要求額は過去最大の95兆円超。金額を明示しない事項要求という隠れみのが約3兆円もある。これでは09年度予算に民主党の公約を上乗せしただけだ。さらに税収の落ち込みによる財源不足の中、予算編成の道のりは険しい。

 危機感を募らせた藤井財務相は「90兆円を切るのが望ましい」と大幅な歳出の絞りこみに言及した。その大役を担うのは行政刷新会議の事業仕分けチームだ。鳩山首相から「必殺事業仕分け人」と激励されたが、早々に小沢幹事長のクレームで、与党議員はわずか7人に減らされた。
 4年前、自民党でも大胆な歳出改革に挑戦したことがある。政治主導の新たな形として府省に対応した政策ユニットを編成し、100人もの国会議員を動員した。政調会の部会長、副大臣、政務官を中核としてユニットごとに削減の課題を決め、約2カ月をかけて対象の事業や制度の妥当性について侃々諤々の議論を行った。その結果、最大14兆円の歳出改革のプログラムを取りまとめた。
 そのとき実務責任者を務めた経験から言うと、まだ民主党は予算編成の基本や歳出改革の難しさを分かっていない。補正予算の削減を見ると、地域で生活する人々や社会保障の現場に影響を与えるもの、逆に制度改革や効率化に資する予算まで排除してしまっている。何がムダなのか、どのように制度を変えるのか考え方を示し、一つひとつ事業を精査しなければ、目先の数字合わせで終わる。有識者の力を借りるにせよ、これだけの力仕事を数名の政治家で出来るのか。非常に心許ない。
 また民主党の事業仕分けで大切なことは、マニフェストで掲げた政策を聖域にすることなく、対象にすることだ。例えば高速道路無料化の試行経費(6000億円)や年金記録問題解決のために、不確かな紙台帳8億5000万件の全件照合作業に延べ7万人を投入すること(1800億円)が果たして必要なのか。こうした課題にメスを入れてこそ、本来の成果を得ることができる。

続きはFJ1月号で


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