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任せるな、みな使おう~青山繁晴 超経済外交のススメ

超経済外交のススメ

青山繁晴氏

アメリカ大統領選の民主党候補、オバマ上院議員がヨーロッパ諸国を歴訪し、ロックの新しいスーパースターが登場したかのような熱狂の歓迎を受けた。

 ベルリンでは実に20万人が集い、オバマ候補の演説に酔いしれた。巧みな動員もあるにはあったが、アメリカ嫌いの増えているヨーロッパ人がここまで沸くのは、一驚すべきことだ。
 オバマ議員はまだ大統領になれるかどうかわからず、1候補の選挙戦術にすぎないと言えばその通りだが、それでもなお、アメリカは国家の総体としてしっかり、まさしく「超経済外交」を遂行していると言える。
 なぜか。大統領選はアメリカの国家システムの根幹の1つだ。先進国で最悪の黒人差別が存在してきた国であるにもかかわらず、その大統領選で、47歳の若い黒人を2大政党制のうちの1党の正式な大統領候補に押し出し、2つに1つの確率で大統領になれる可能性を彼に持たせた。
 しかもアメリカ合州国(合衆国は良くできた誤訳)の大統領は、国家元首と、世界最大の政治力、経済力の遂行者と、それから世界最強の5軍(陸海空軍に海兵隊、宇宙軍)の最高指揮官とを兼ねる存在だ。被差別者を一気に、その高みまで持っていく柔軟性をアメリカは世界に見せつけた。初めて女性を大統領候補に据えるのとは、ケタ違いのインパクトだ。
 2008年は3月にドルがかつてない弱さをみせた年であり、このまま行けばドルが世界の基軸通貨から滑り落ちる現実を初めて諸国が知った年だ。それから数カ月でアメリカは、自らが想像を超えて変身できる可能性を示した。
 11月の大統領選で、オバマ大統領が誕生すれば、直ちにドルは買われて急上昇するだろう。アメリカに若い自己変革の潜在力があることを証明するからであり、アメリカ経済がまだ伸びる余地のあることを雄弁に物語るからだ。
 逆にマケイン大統領が誕生すれば、特にヨーロッパ市場はブッシュ政権の亜流とみなして落胆し、ドルを売るだろう。
 しかし、そのケースでも暴落にはならず、意外に高い水準で底を打つのではないか。

続きはFJ10月号で


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