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どん底からこそ改革は成る~青山繁晴 超経済外交のススメ

超経済外交のススメ

青山繁晴氏

福田内閣は、もしも倒壊するならそれは内政問題からだろうと、自民党幹部の多くが半ば公然と語っていた。だからこそ首相は通常国会の本格的延長をせず、洞爺湖サミットに向け外交課題に集中するスタンスをとった。
 しかし、その得意のはずの外交で福田さんが致命傷を負ったのではという観測が、今度は与野党を問わず静かに深く広がっている。

福田内閣は、もしも倒壊するならそれは内政問題からだろうと、自民党幹部の多くが半ば公然と語っていた。だからこそ首相は通常国会の本格的延長をせず、洞爺湖サミットに向け外交課題に集中するスタンスをとった。
 しかし、その得意のはずの外交で福田さんが致命傷を負ったのではという観測が、今度は与野党を問わず静かに深く広がっている。
 同盟国アメリカの大統領が、北朝鮮をテロ支援国家の指定から外した。北朝鮮が、せっかく保有した核兵器を手放し始めたというのだ。米朝は手を組み、寧辺の核施設のうち冷却塔だけを爆破し盛大な煙があがるシーンを演出した。
 だが日本国民を含む世界が注視したのは、爆破されたあとの瓦礫にカメラが近づいた映像だった。コンクリートと細い鉄筋、ほかに何もない。中にあったパイプやファン、その他の意味ある設備はとっくに取り外されていた。原爆の材料になるプルトニウムを充分、作り終えているから、原子炉も、そこから出る水蒸気を冷やす冷却塔もご用済みであり、壊しても放射性物質の飛散しない冷却塔を爆破してみせただけ、そのことがわかりやすく露呈された。
 核の放棄が真実なら、その材料を元にして核爆弾を作る工場こそ壊さねばならない。それは後の段階なのだとライス米国務長官は力説する。しかし北朝鮮は、2005年9月に6か国協議で「核を放棄する」と確約し、そのわずか1年後の06年10月に、逆に核実験を行い核保有国となった。
 この北朝鮮を信頼することなど実はブッシュ政権にもできはしない。ヒル国務次官補すら、関係者だけの場では「北朝鮮は悪魔だ」とののしった。それは冷却塔爆破のまさしく直前、秒読みの頃だった。なのに、なぜテロ国家外しに踏み切ったか。米政界はまもなく夏休みに入り、休み明けの9月からは大統領選一色で、ブッシュ大統領と同じ共和党のマケイン候補は北朝鮮に融和的な姿勢はみせない。米国民は誰も北朝鮮など信用しないからだ。そこでブッシュ政権が「世界のテロ支援国家を1つ減らした」という実績を残すには、このタイミングしかなかった。

続きはFJ9月号で


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