うめけん対談@FJ
社長、フォローしちゃいました!
Vol.08 ジョブウェブ
就活生よ、
修羅場をくぐれ
本格的なシーズンを迎えた2013年卒の学生を対象にした
就活=就職活動。就活のスタイルが変わりつつある中で、
独自の方法論で学生と企業を結び付けているジョブウェブ佐藤社長。
うめけんが仕事に就くということの意味を問う。
就活はいつから始めてもいい
企業側も苦労する情報発信
梅崎 就職活動がこのほど解禁になりましたよね。今期は短期決戦だという話も出ていますけれど、現在の実態として就活にはどのくらいの期間がかかっているんですか?
佐藤 この10年間の歴史を振り返ると 就活の早期化がずっと続いていたんですね。一般には大学3年生の夏にインターンシップがあって、10月くらいにリクナビなどの就活サイトがオープンする。2010年までは3年生の4月くらいからインターンシップをしなければ、という雰囲気がありました。インターンシップで自分自身を磨きつつ、自分のやりたいことを見つける。そして最終的に内定をもらうというのが一つのパッケージだったんです。でも経団連が「就活の早期化が大学生活に悪影響を与えているのではないか」ということを言い出したんですね。そのため11年は12月1日解禁ということになりました。
でも多くの学生が企業と接点を持っていないので、どんな人物が求められているのかとか社会の仕組みがどうなっているのかを知らない。そのため、よーいドンで就活が始まっても、結局人気が集まる企業はみんなが知っている会社だらけになってしまいますよね。そうした人気企業が用意しているイスは数千人分しかない。誰もが人気企業に入れるわけじゃないんですよ。
梅崎 大学3年生になって就活しなくちゃいけないよと言われないと、企業も自分自身も知らないという状況が普通、ということなんでしょうね。
佐藤 そうなんです。でも僕から言わせてもらえれば、就活はいつから始めたっていいんです。
梅崎 高校3年生から(大学卒業後を見据えた就職活動を)始めたっていいわけですよね。
佐藤 その通り。僕は就活の選考プロセスが始まる前に、ステップゼロという段階を大学1年生からやるべきだと思っているんです。昔は採用のハードルがそれほど高くなかったんですけれど、今は企業側の求める人材のレベルがとても高い。とはいえ企業側の情報発信は弱いし、ハイレベルの人材を鍛えようというアクションも弱い。能力のある人材が来れば欲しいけど、能力が無ければ会いたくもないって思っているんです。
梅崎 学生側もいろいろな企業を知ろうとする努力を、もっと早くからするべきでしょうね。知らない仕事って世の中にいっぱいあるわけじゃないですか。でも今トレンドではない業界や企業で良い人材を欲しいと思っているところは、相当な情報発信が必要になりますね。
佐藤 それこそがジョブウェブがやっている事業ですよね。知る人ぞ知るすごい会社なんだけれど学生からは全く知られていない会社を発掘して、その会社の魅力は何なのか、その会社がどんな人を欲しがっているのかをまず把握します。その上で、どうやって学生とコミュニケーションを取れば採用できるのかを考えていきます。
当時は知名度が低かったベンチャー企業の社長から新卒採用を始めるに当たって相談を受けたんです。僕が「マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の社長が自ら教えるロジカルシンキング講座っていうものを開いたら絶対良い人材に出会えますよ」と言ったら、その案が採用された。それによって良い人材を採用して、今では誰でも知っている会社に成長されています。三菱商事なら「三菱商事会社説明会」と銘打てば満員御礼になるけれど、知名度の低い会社が主催する「会社説明会」だと人が集まらないんです。知名度の低さを打開するための方法でしたね。
学生時代に本気で仕事
修羅場で鍛えられる
梅崎 私事ですけど、4月から僕は大学生になることが決まりまして。僕が大学に入ろうと思ったのは、起業して社会との接点を持つ中で自分に足りないものや学びたいものが見つかったからなんですね。自分を見つめ直したから学びたいものがはっきりと分かった。しかしそうした目標がないと、いきなり就活を始めてどんな仕事をしたいかと問われても難しいのではないでしょうか?
佐藤 学生が企業を選ぶときに偏差値のような指標はあまりなくて、イメージが先行するんです。人気企業ランキングというのは、世の中で知られている企業リストでしかありませんから。
梅崎 そうした今の就活システムをどう捉えていますか?
佐藤 どちらかといえば否定的に捉えていて、その変革を体現するためにジョブウェブをやっています。それこそ大学1年生から本気の仕事をするべきでしょう。私たちからは、エスファームというサービスを立ち上げて社長の右腕として新規事業を立ち上げる仕事や海外の現場で働く仕事を提供しています。難しい仕事に大学1年生からチャレンジしようぜと訴えているんですね。本気で仕事をして、自分の足りないところに気付き、大人に対する尊敬みたいなものを持てるような状況で、将来の志やビジョンを描きつつ自分の足りないところを把握して、あらためて学校で勉強すればいい。本気で仕事をして修羅場をくぐった方がいいんです。
梅崎 ほかに学生がこんなことをすればいいのにというものはありますか? こういうことをやれば支援するのにとか?
佐藤 惜しいなと思うのは、学生だけで集まって自己完結してしまう状況ですね。もったいないと思う。学生がやっておくべきことのキーワードは、社会との接点を持つこと。大人も巻き込み、大人に対してバリューを提供する方が修羅場の度合いは増しますよね。
梅崎 就活で有利になるとか自分たちの利益はもちろんあるけれど、学生ならではの力で世の中の問題を解決していこうという姿勢は必要ですね。そのときに社会との接点を持っていると、責任をじかに問われます。ここで下手を打ったらいろんな企業に迷惑が掛かるかもしれないとか。そういう意味で修羅場っていいですよね。自分を鍛えてくれます。
“ソー活”はどうなる?
大きな流れを変えるために
梅崎 ソーシャルメディアを使った、いわゆる・ソー活・なんて言葉も出てきていますけど、お話を聞いているとそういうツールが出てきて当たり前だなと思いましたね。ソーシャルメディア上で社会との接点が見いだせるわけですから。
佐藤 すごい状況だなとは思っています。でもそうしたツールも当たり前になってきちゃうと自分と他の学生との差別化が図れなくなります。あるツールを使う人が少ない時期は、例えば学生から企業側に会いたいというアプローチをする場合のハードルは低いんですよ。面白そうだから会ってみようかなとなる。アーリーアダプター層だけが動いているときは双方が面白がって使えます。
梅崎 でも今じゃ、ソフトバンクの孫正義社長にツイッター上で呼び掛けても誰も彼もが会ってもらえるわけじゃないですよね。
佐藤 世の中にいる面白い人の割合って結構少ない。だから単純にフェイスブックを使っているだけという学生は、いまひとつかもしれませんね。
梅崎 しかしソーシャルメディアを活用した就活が主流になって、企業も化粧ができないし学生も素顔をさらして自分を売り込んでいくことがスタンダードになると、従来の組織型の就活からネットワーク型の就活に変わっていくんでしょうね。
佐藤 なりつつあると思います。
梅崎 企業と学生のミスマッチの解消にもつながりますか?
佐藤 そうなるはず……なんですが、今のところ大多数の学生は相変わらず大企業にばかりエントリーしてしまう。ツールなどが変わっても、大きな流れはなかなか変わらないのが現状です。ただ、今までの就活のやり方というのは限界に来ているのもまた事実です。大量に集めて大量にふるいにかけたときに落ちてしまった人への救済や、大量採用にかける企業のコストもかかり過ぎる。そうしたことを解消していくためには、やはり学生に若いころから刺激を与えて成長機会を増やしていく、チャレンジするような流れをつくっていかなくちゃいけない。現在の採用活動の在り方が変わっていくには、それぞれの立場や思惑があるので、なかなか変わらない部分はあるんだけれども、大学の教育も学生の行動も企業の行動も変わっていくべきと考えています。経団連の影響力はとても強いので、一気に変わる可能性もあります。
梅崎 僕も大学生活の中で、仕事に就くための新しい方法を創り出そうと考えているところなんです。
佐藤 うめけん君の大学4年間とジョブウェブのこれからの4年間をうまくリンクさせて、就活を変えるターニングポイントにしていきたいですね。
SATO Kouji
1972年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部在学中の96年ジョブウェブを創設。97年7月、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。99年ジョブウェブを法人化し、社長に就任。現在に至る。@kojisato515
ジョブウェブとは?
1996年、学生メンバーによるプロジェクトとしてスタートし日本初の就職活動のためのMLサービスを開始。99年に法人化。就職コミュニティーサイトの運営や人材採用コンサルティング業務などを行う。本社・東京都港区。
UMEZAKI Kenri (Umeken)
1993年生まれの髙校3年生。ツイッター上でソフトバンク孫正義社長から3番目のフォロワーに選ばれたことで注目を集める。2010年流行語大賞を「~なう」で受賞。ソーシャルメディアプロモーションを展開するディグナ社長。@umeken