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各国に深く浸透する宗教2012年01月号

各国に深く浸透する宗教

「宗教」というキーワードを目にしたとき、あなたは何を想像するだろうか。葬式? 結婚式? それとも怪しい団体? なんとなくなイメージはあるけど、では改めて宗教ってなんだと問われるとよく分からず、その概念は曖昧だという日本人は多いだろう。

しかし宗教は今日でも世界中の多くの人々の、心の安寧と価値観を支える重要な要因として存在している。信仰心を持っていなくても、信仰心を持つ人々とのコミュニケーションはグローバル化する世界で今後ますます求められるだろう。その際、宗教の知識は必要不可欠だ。曖昧だった理解を深め、深遠な世界をのぞいてみよう。





世界三大宗教をはじめ各国に深く浸透する宗教

「家に仏壇や神棚を飾り、クリスマスを皆で祝い教会で結婚式を挙げる。日本人は宗教観に乏しい」。


国内外を問わずよく聞かれる言説であり、日本人は世界的にも稀な、良くも悪くも雑多な宗教観を持つ民族である。そんな日本でも「世界三大宗教=キリスト教・イスラム教・仏教」であることは知られている。では各宗教の具体的なイメージというと、キリスト教なら「聖書、十字架」、イスラム教なら「アッラー、コーラン」、仏教なら「お釈迦様、お寺」などといった具合に断片的な知識がほとんどろう。

欧米人に自分が無宗教だということを言うと、あまり〝よろしくない〟リアクションをされるという話も一度は聞いたことがあるはず。日本の常識は世界の非常識。このグローバル化の時代において、宗教に関しては閉鎖的であると言っても過言ではない日本人の意識。ということで、世界各国の宗教分布図を一覧にしたのが上の地図である。


世界の宗教人口を見ると1位のキリスト教は約21億人、2位のイスラム教は12億5000万人、3位は仏教、ではなくてヒンズー教の8億4000万人である。仏教は第4位の約3億7000万人、つまりヒンズー教の半分以下となる。

キリスト教は南北アメリカをはじめ、ロシア、EU諸国、オーストラリア、ニュージーランドとワールドワイドに信者が存在する。イスラム教は中東諸国、北アフリカと東南アジナの一部の国で多数の信者を抱えている。そして仏教の2倍以上の信者がいる3位のヒンズー教はインドを中心とした民族宗教であり、信者の大半がインドやネパールに存在する。

そして4位の仏教は日本をはじめ、韓国、中国、タイ、チベット、スリランカなどの東アジア、東南アジアで広く信仰されている。ヒンズー教よりも信者の少ない仏教が世界三大宗教とされているのはなぜか。世界宗教の定義として、その名のとおり国家、民族、社会を越えて世界に浸透していることが挙げられる。この点、ヒンズー教の信者はインド人が大半を占めているため、民族宗教に分類される。同じ民族宗教であるユダヤ教はイスラエルの民族、神道は日本人といった具合に特定の民族に信仰されている。

また、開祖 がいることも重要なポイントだ。世界三大宗教にはキリスト教のイエス、イスラム教のムハンマド(マホメット)、仏教のブッダといった明確な開祖がいる。彼らの教えを忠実に弟子たちが受け継ぎ、長い歴史の中で迫害などの困難を乗り越え、複数の宗派に分かれても途絶えることなく1000年、2000年のスパンで広く伝承してきたことが世界三大宗教と呼ばれる所以である。