フィナンシャル ジャパン オンライン版|桜井浩子氏インタビュー

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桜井浩子氏インタビュー2011年08月号

桜井浩子氏インタビュー

「現場の熱気がウルトラQを作り上げた」
リアルタイムで観ていた男の子は、皆彼女に憧れていたと言っても過言ではないはず! 
江戸川由利子─ 『ウルトラQ』の世界で、新聞記者兼カメラとしてハツラツと動き回る
“由利ちゃん”の姿は、今観てもとても魅力的。女優、桜井浩子が当時を振り返る。



江戸川由利子は
私そのものでした

 『ウルトラQ』は“日本初の空想特撮番組”というふれこみでしたから、最初キャスティングされたときは、「なんで私?」と思いましたね(笑)。当時の私は東宝の専属女優で、映画の現場しか知らなかった。それが撮影に入ったら、今度は主役の佐原健二さん含めて全員スタッフ状態!(苦笑)。それにはびっくりしましたね。これは後から分かったことなんですが、放送日も何も決まってない段階で撮影がスタートしたみたいで。なので撮影はハードどころか、もう最初はグチャグチャで。例えば撮影で奥多摩の山の中に行くとしたら、みんなで一斉に「せーの」で移動するんですよね。佐原さんも軽い荷物は持ってるし、私もマネしてメイクさんのティッシュの箱とか持ったりして。テレビってすごいな、と思いました。


 でも大変でしたけど、現場には熱気とやる気がありました。東宝の映画の現場は〝プロ〟が多いので、私たち俳優をどこか商品として観察する、という感じの空気だったんですね。でも円谷の現場は、はちゃめちゃで無茶な男の子たちが多かったというか「みんなで一緒に頑張ろうぜ!」っていう青春映画みたいな感じで(笑)。当時の私にはそれが楽しかったみたいですし、こんなこと言うと東宝に申し訳ない気もするんですが、女優として〝お嬢さん扱い〟されるよりは、私にはそういうほうが合ってたみたいです。また、そんな大変な現場ではありましたけど、主役の佐原さんをはじめ、先輩俳優の方々が本編の柱になり、この番組をしっかり成立させていきたい……という熱意があったんですよね。そこは随分感化されました。


『ウルトラQ』の後に『ウルトラマン』シリーズにもフジ・アキコ役で出演しましたが、自分に近いのは江戸川由利子だったと思います。生意気でおきゃんで、泣き虫で、鼻っ柱が強くて……男を男と思わなくて平気で使っちゃったり(笑)。10代の多感な頃に出演した作品ということもあり、今でも当時のことは鮮明に覚えています。見ると分かるんですが、初期と後半で随分顔にも変化があるんですよ。最初はほんとひどくて、口紅は塗るものの、化粧なんて男性と同じドーラン塗ってるだけですから(笑)。途中で色々目覚めていって、アイライン入れたりビューラーをしたり……いつどうしたかというのは、今観ても全部思い出せますね。今回のカラーライズにあたっては、自分の衣装の色を監修させていただきました。これも全部覚えてましたよ、だって全部自前の服でしたから(笑)。衣装合わせに行ったら「じゃあそれで」って言われるんですよ。靴なんか何足ダメにしたか……(笑)。そしてカラーライズしたものを観たときに思いましたね、「由利ちゃんと怪獣はカラーがいい!」。

『ウルトラQ』が実際に放送されたときは私は『ウルトラマン』の撮影に入ってましたから、評判を聞いたときもどこか実感が湧かなかったんです。そしてその後「円谷プロ=ヒーロー変身もの」というイメージが大きくなり、私が94年に円谷プロダクションに入ったときは『ウルトラQ』は無かったようなものにされていたような状態でしたから。それがこんなふうにカラーライズされて、モノクロ版と一緒に皆さんに観ていただけるというのは感無量ですね。

SAKURAI Hiroko
1961年東宝撮影所(現東宝映画)入社。オール東宝ニュータレント一期生となり、数々の東宝作品に参加した後『ウルトラQ』の江戸川由利子役に選ばれる。その後『ウルトラマン』の女性隊員、フジ・アキコ役も演じた。現在は円谷プロダクションに所属。


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ヒロコ ウルトラの 女神誕生物語
著/桜井浩子(小学館)
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『ウルトラQ』の江戸川由利子役、『ウルトラマン』のフジ・アキコ役で知られる桜井浩子初の自伝。多くの監督・製作スタッフとの出会い、当時の製作秘話も語られている。