« [第1特集]エネルギー抗争世界市場の奪い合いが始まった | メイン | 木村剛の伯楽諌言「首相の任期は1年半?」 »

[第2特集]裁判員制度の正体
亀井静香インタビュー

法案を素通りさせたわれわれは“あほ”でした

裁判員制度開始直前、国民新党は制度導入の延期を盛り込んだ法案づくりを始めた。
なぜこの時期に延期が必要なのか。警察官僚出身で死刑制度廃止派でも知られる
党代表代行の亀井静香衆議院議員に話を聞いた。

構成=中野悠希

fj0907_kamei.jpg

法案の中身なんて国会議員の誰も見ていなかった

──国民新党で裁判員制度延期法案を提出すると伺いました。
 選挙前ということもあって難航していますが、議員連盟の結成に向けて、亀井久興さん(国民新党幹事長)中心に活動しているところです。裁判員制度の問題点をよく洗い出した上で、制度を手直し、もしくは廃止するということを考えるために、まず3年程度凍結させようというのが法案の内容です。

──裁判員制度法案はほぼ全会一致で成立しています。つまり亀井(静香)議員も賛成票を投じておられる。なぜ今ごろになって延期を求める動きを?
 私自身深く反省しなければいけませんが、法務省提出法案はいつもすんなり通過させていたんです。裁判員制度も同じで、正直、深い議論をしないまま成立させてしまった。イメージとして陪審員制度があって、それと同じものが日本にも入ってくると簡単に考えていたんです。当時、誰もが法案の中身なんて見ていなかったと思います。
 ところが、裁判員制度のふたを開けてみると、陪審員制度とは異なり市民が量刑を判断するというものでした。証拠判断の訓練を受けたこともない人が、重刑についてたった3日程度で決める。「これは大変だ」とあとになって気がついたんです。議連では、われわれ議員が過ちを認めることをはばからずに、問題是正に向けて活動していこうと確認しあいました。

──議論が尽くされていない点は率直に認めると?
 これはとにかく反省です。あの時、各党とも中身について真剣に議論をしなかったのは、議員としての義務を怠ったということ。“あほ”でしたね、われわれ国会議員は。だからといってこのまま制度を認めていいということにはならない。国民におわびをしてもう一度根本から検討しなおさなければいけない。

──裁判員制度のどこに問題があると思われますか?
 誰かを長期にわたって拘束したり、生命を奪ったりするということを、一般市民に突然強いることを、簡単にやっていいのかというのが私の問題意識です。
 私は死刑廃止を主張していますが、裁判員に選ばれた人の中には、自の意に反して、最終的には死刑や無期懲役といった判決に加担しなければいけない人が必ず出てきます。ですから、無期懲役以上の刑罰を科す場合は、多数決ではなく全員一致を条件にするなど、個人の精神的負担についてもっと考慮すべきだと考えています。
 場合によっては軽い犯罪から裁判員制度を導入するのもいいのではないでしょうか。「市民の意見は裁判官の判断の参考程度にとどめる」というように、関与の度合を薄めるやり方だってあります。

国家による殺人「死刑」もやめるべきだ

──刑事裁判制度を改革するにしても、ほかにやるべきことがあるのではないでしょうか。
 まず捜査手続きは抜本的に見直したほうがいいと思います。自白しないから勾留するというやり方がまかり通っていて、事実上、勾留が拷問の替わりをしています。しかも、弁護士までもが「自白しないと外に出られないから、取りあえず罪を認めて公判でひっくり返せばいい」という間違った知恵をつける。それで自白調書に署名するというケースが非常に多いように思います。ですから、弁護人や市民が、裁判官の勾留判断に異議を申し立て、審査できるような仕組みをつくることが“開かれた”司法手続きにつながっていくと思います。

 ほかにも、弁護人の接見をもう少し多く認めるとか、裁判官の逮捕状発布にもっと厳重な証拠判断をするなど、被疑者の人権を守っていく視点からいろんな改善点があります。
 密室状態の取り調べにもチェックを入れていかなければいけませんが、捜査の可視化を全面的にやることには疑問があります。取り調べは、被疑者と取調官の“良心の闘い”といえるような側面がある。全部録音されて、外からカメラがのぞいているという状況の中で、取調官が良心を引き出していくという対決ができるかというと、理屈では「できる」と言えても、実際には難しいと思います・・・


ツイッターでつぶやく   このエントリーを含むはてなブックマーク  Yahoo!ブックマークに登録  この記事をクリップ!  トピックイットに投稿する  newsing it!  このエントリをdel.icio.usに追加


関連記事

リリースをお寄せ下さい

FJ編集部
FAX:03-5652-5521

mail:pressrelease_to●media-concept.co.jp


●を@に変更して下さい

Phone 03-5652-5635




New ネクストウオッチ プレゼント 当選者発表




PR



Add to Google

My Yahoo!に追加

はてなRSSに追加

エキサイトリーダーに登録