本物の“企業応援団”かどうかが試される時
投資家にとっては受難の時代。
はたして今後、どのような投資行動を取るべきなのか? 2009年は株式の買い場なのか?
さわかみ投信代表の澤上篤人氏に聞いた。
構成=山本雅幸 写真=鰐部春雄

個人金融資産が受けた傷は軽微
木村 株式相場の環境は?
澤上 今は環境が良くないといわれるが、相場はどこかで必ず戻る。そして戻りの波が来れば、多くの人がこれに乗り遅れまいと飛びつき買いするだろう。
個人の金融資産は低金利の預貯金に滞留しうずうずしており、少しずつ証券市場に流れ込んでいるというのが実態だ。
バブルがはじけてからすでに19年。バブル相場のときには買えば誰でももうかったが、その後運用に携わった機関投資家は19年間、ほとんど本格的な上昇局面というものを知らない。こうしたプロの投資家たちは、次の上昇相場に乗り遅れる可能性が高い。
木村 2008年はどの市場でも痛い目に遭った人が多かった。安全志向が強まっているのでは?
澤上 約1500兆円の日本の個人金融資産のうち、株式や投資信託は12%で、これに出資金を加えても15%にすぎない。現預金が52%、保険が15%で、この比率は今回の金融危機を挟んでもそれほど変わらなかった。
つまり、ほとんどの人たちが動いていないということだ。リスク資産から退避するのではなく、将来に備えて投資するために多くの資金が待機している。老後の年金があてにならないことはもう明らかだし、将来のインフレも不安で投資の必要性は増している。
確かに株式を保有していた人たちは痛い目に遭った。07年9月末に1544兆円あった個人金融資産が1年後には1467兆円となり、株価の急落を主因に約77兆円も目減りしたのだから無理もない。ただし、日本の個人金融資産の多くがまだ預貯金に眠っていることを考えると、裏返せばほとんどのおカネは無傷ということだ。投資余力は十分に残っている。
木村 その無傷の預貯金は、はたして投資に向かうのでしょうか?
澤上 1500兆円の半分以上は高齢者が持っているが、この年齢層は新たな所得がない以上、資産形成をしなければ目減りする一方だ。税金も引き上げられる中では、資産を食いつぶすだけになってしまう。それに気づいた人々は、着実に投資に向かうだろう。今後は資産形成で富を増殖する人と、資産をただ食いつぶす人に二極化するのではないか・・・
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