当面使う予定のない、まとまった額の資金をどうするか。
そこで思い浮かぶのが定期預金だろう。金融危機を経て、
先行きの見通しが不透明な今、安全性の高い円定期預金が注目を集めている。
構成=FJ編集部 写真=鰐部春雄

| <お詫びと訂正>
本誌2009年3月号 82ページ「再考 円定期預金」に掲載した金利表に誤りがありました。 記 1年もの・・・0.90% 2~5年ものは通常金利+0.15%上乗せ ここに訂正し、読者ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。 |
家計の金融資産構成に大きな変化の兆し
世界的な金融危機は個人投資家の投資行動にも大きく影響している。2008年の株式市場は18年ぶりに個人の買い越しで終わった。新たに投資に参入しようという人も多く、証券会社への口座開設に関する問い合わせも増えているという。一方で、国内外ともに当面は厳しい経済状況が続くと見られるため、資金を現金化したり、預貯金など元本確保型の商品に充てたりする人も少なくないようだ。
日本銀行が08年12月に発表した「資金循環統計(08年第3四半期速報)」によると、08年9月末時点の家計における金融資産残高の構成比は、同年6月末と比べて、現預金や保険などが増えている一方で、投信や株式の割合は減っている。 項目別に詳しくみると、現金・預金が53.1%、保険・年金準備金は27.4%。それぞれ6月末と比べて0.9ポイント、0.7ポイントの上昇という結果だ。これに対し、投資信託は4.0%、株式・出資金は8.1%で、それぞれ6月末と比べて0.4ポイント、1.4ポイント下がっている。特に株式・出資金については、06年12月末と比べると12.7ポイントという大きな下落。株式投資が魅力を失ってきた証拠といえるだろう。
この統計によると、家計の金融資産総額は1467兆円で、6月末と比べて37兆円減っている。現金・預金と保険・年金準備金の構成比はともに増加していることから、積極的な投資を控え、資金を各種預貯金に回すなど、安全性の高い資産運用に切り替えている状況がうかがえる。
これまで円定期預金は、金利の影響を受けながらも一定の人気を維持してきた。全国銀行協会によると、98年に60%を超えていた定期性預金(定期積金含む)の比率は、99年のゼロ金利政策開始前後から下落するも、ゼロ金利政策解除の06年には約40%で普通預金とほぼ同率になり、翌07年には頭一つ抜いている。
こうした背景には、ゼロ金利の解除に加えて、定年退職時期を迎える団塊世代の影響もあるとされる。各行がこぞって、退職金の預け入れに限定した特別金利の商品を提供したことが、定期預金人気が復活した大きな理由の一つであることは間違いないだろう。金融機関や大企業の破たん・倒産が相次ぐ中、円定期預金の大前提であり、魅力ともいえる「元本保証の安心」こそが、先行き不安がまん延する現在において選択の重要な要素となっているのだ・・・
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