ファイナンシャルアドバイザーが
見通す2009年上半期
2008年から09年にかけての年末年始は、為替に注意が必要かもしれません。
10月の金融危機以降、円高が進んでいますが、金融関係者の間では
「近い将来、瞬間的に1ドル70円程度の円高もありうる」との声があります。

というのも、日本はカレンダーの関係で31日(あるいは30日午後)から1月4日まで市場が休みになるわけで、その期間を狙って投機筋が円買いを推し進めるのではという憶測もあって、年明け一気に円高、というシナリオを予想する向きがあるからです。
なぜ70円かといえば、仕組み債をはじめとしたさまざまな金融商品で、「70円くらいでノックアウト・オプション(期間中に原資が所定の額に達すると権利が消滅するオプションのこと)が設定されているのではないか」といわれているからです。そのため、通貨オプションの売り手側が為替の変動による損失を保証する義務から解放されるために、この水準まで円を買い進むのではないかという見方があるのです。
また反対に円安説を唱える関係者もいます。円安説は、アメリカが発行する赤字国債を日本などが引き受ける、つまりドル買いするので円安ドル高になるというものです。
ただ、どちらに振れるかわかりませんし、円高説も円安説も、両方当たる可能性だってあります。いったん円高に振れてから一気に円安ということは十分ありうるでしょう。
もちろん、この水準で安定し両方外れる可能性もあります。とかく専門家の短期的な為替予測は外れがちですから(笑)。
いずれにせよ重要なのは投資家としてスタンスを明確にすることだと思います。短期のトレードであれば経済予測に固執せずトレンドに逆らわないこと、中長期の運用であればこの金融危機後の世界をにらんだポジションを取るべきではないかと思います。
現在の円高は混乱の中で消去法により円が買われていることや、プロキシートレード(アイスランドなど通貨危機で売れない為替をカバーする取引)などが理由だと思います。近い将来、世界経済が落ち着きを取り戻す過程においては、これらの巻き戻しにより円安になっていくと予想しています。
バラク・オバマ新大統領はカリスマ性が高く、期待が大きいわけですが、だからといって彼が就任したら環境がガラリと変わって相場がよくなるわけではない。それをわかっていながらも、人々は希望を彼に託しています。怖いのは、数字がなかなか好転しなかったときです。アメリカ国民が、ひいては世界中の金融・投資関係者がいつシビレを切らすのか。
広告コピーのように聞こえるかもしれませんが、株価は人々の希望でできている。経済が発展するのは、今日より明日が幸せになると信じられるからです。明日への希望が持てなければ国民は消費なんてしません。有名なP・F・ドラッカー氏の言葉に「資本主義において利益の追求が最終目的になった時に、資本主義は終わる。利益の拡大はあくまでも資本主義が成長していくための手段であって、最終目的は資本主義の拡大を通じて個人が自由と平等を獲得することでなくてはならない」というものがあるそうです。利益の追求に走った米国投資銀行が破たんした08年に、武器や富でなく自由・機会・不屈の希望こそ、この国の力であると主張するオバマ氏が大統領選に勝利したのは、単なる偶然ではなく、歴史的な必然、運命だったのかもしれません。
この最悪の経済危機に立ち向かう米国の“The Great Challenge”に期待したいと思います。
また、明日への希望という意味で注目しているのはインドです。IT革命に成功し、BRICsの一角として成長したインドですが、08年外国人投資家の資金引き揚げにより株式市場が低迷、直近では商都ムンバイで大規模なテロ事件もあり今後の経済成長が疑問視されています。しかし、インド国民の成長への欲望が消えたわけではありません。増え続ける中流層の「いつかは冷蔵庫やエアコンを持ちたい」という現実的な夢がインド経済を成長に導き、将来的には世界経済成長の重要なエンジンになっていくと考えています・・・



