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誰かがあなたをググってる~渡部 薫SBI Robo社長

「ネットは匿名で」――。そんな“日本の常識”を崩しつつあるサービスが生まれている。SBI RoboのSNS「SBI Business」だ。mixiなど匿名サービスの多い中で、実名登録にこだわっている。渡部社長にめざすサービスや思い描くウェブの未来像について聞いた。

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次に検索の対象になるのは「人」だ

―― なぜ実名のSNSを始めたのでしょうか?
インタビューや講演ではよく話すのですが、これからは「人」が検索の対象になると思っています。紙や印刷物などのドキュメント、写真や音、映像などがデジタル化されてネットで流通し、検索の対象になりました。会社や商品も検索されるようになった。そして残ったのは、「人」です。そこで、文書や画像に違法コピーが生まれたように、自分の人格を表すページが勝手に生まれる可能性があります。また友人のブログやSNSの日記などで、名前や日々の行動が掲載され、自分が公表するつもりではなかった情報が第三者に知られてしまうこともある。たとえば仕事で会社を訪問したり人に会ったりするとき、事前にどうしますか?人物名や社名で検索しますよね。人名で検索したとき、経営者など有名人だと、検索結果の上位に来るのは、wikipedia のページだったり、場合によっては誹謗中傷の記事だったりします。本人があずかり知らぬところで、勝手な情報が流されたり、ビジネス上不利なことが書かれたりしてしまう。
―― それは誰にでもあてはまるのでしょうか?
有名人に限ったことではありません。だって恋人やその親、面接を受けた企業が、あなたがどんな人間かと思って名前でググらないとはいえないでしょう。たとえ現時点で検索して自分の情報が出てこない人でも、5年後、10年後も出ないと言い切れるでしょうか。グーグルの言葉を借りれば、いまやウェブサイトを持っていない法人は“存在しない”。そこまでウェブの存在やSEOの重要性は高まっているわけです。人間の評価は、東大卒だとかトヨタの社員ということで決まるのではないことに、皆気づきはじめています。世の中にどう評価されているか、その答えが検索結果なんです。個人だってSEOをしなければ、好ましくない情報が上に出てきてしまいます。グーグルやヤフーなどにとっては、正しいかどうか、情報を出された当人にとって好ましいかどうかは関係ないですから。
―― 登録者はどれくらいいるのでしょうか?
1月21日にサービスを開始したのですが、6月30日時点で4万人を突破しています。最近では、多い日で700人、平均しても400~500人が新規登録してくださっています。
―― 実名に抵抗を持たれる方はまだ多いように思います。
たしかに、浸透するには、まだ時間がかかるでしょう。イメージとしては2012年から2015年くらいには、日本でも浸透しているのではないかと思います。ただ現状で、自分が意図しない情報が出てしまうのであれば、検索エンジンの力を逆に利用して、自分が本当に公開したい、公開してもいい情報を出して、見せたくない情報を検索結果の下のほうに追いやってしまえばいいんです。それも一種の防衛法というわけです。いわば“自分SEO”です。当社のサービスはビジネス向けに特化していますので、自らのビジネスプロフィールを積極的に公開することで、人脈が広がり、ビジネスがより円滑に進むことが期待できます。別に否定するつもりはありませんが、某大手掲示板のほか、個人のブログなどで、匿名で個人攻撃が行われる例があります。だから実名を出すことを恐れる気持ちもわかります。だからといって、隠そうとしていればいい時代ではないと思います。これからは、個人情報保護とプライバシーの扱いについて、根本的に認識を変えていかなければいけない時代だと思っています。これから必要なのは、個人情報保護というよりは、プライバシーコントロール権だと思うんです。いかに自分の情報をコントロールするか。SBI Businessはその一手段になるはずです。

名刺交換したらその場で相手の名前を検索

―― 海外では実名のSNSが広がっているとか。
にわかには信じられないかもしれませんが、アメリカでビジネスカンファレンスに出て思うこととして、「相手のことを知るまでの時間がどんどん短くなっている」ということがあります。向こうでは、特にウェブ業界ではLinkedIn やFacebook に登録していない人はほとんどいませんから、初めて会う前にSNSのプロフィールを紹介しあっておけば、初対面でもお互いのことをある程度知っているので、話が早いのです。事前に知らなくても、名刺交換したその場で検索する。それくらいのスピード感になってきているんです。特にウェブやメディアなど情報ビジネスに関わる人はそうですね。また、雇用主の多くが、自社への就職希望者をインターネットで調べているといわれています。日本では今まで、ビジネスは企業、組織中心に回ってきましたが、これからは個人の能力が重要になってきます。アメリカなどは実力社会だから、仕事ができる人ほど、実名で情報を公開しているんです。これからは、「名前+会社名」での検索がビジネスのスタンダードになっていくと思います。
―― 海外SNSが相次いで日本に参入しています。競争が激化しているのでは?
言語の問題がありますから、そこは住み分けられるのではないでしょうか。たとえばFacebook やLinkedIn がいくら日本語化したところで、こうした海外のサービスを選ぶ人は、日本にいても英語で登録するでしょう。なぜなら、ほとんどの登録者が海外在住で、英語で登録しているわけですから。そうした人とコミュニケーションを取りたければ、英語を使わざるを得ない。日本語で登録するなら、わざわざ外国のサービスを使わなくてもいい。匿名でやりたい人にはmixi やGREEがあるし、実名でビジネスに役立てたい方には、SBIBusiness があります。

続きはFJ9月号で


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