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単に「着飾れ」というイベントじゃないんです
永谷亜矢子(東京ガールズコレクションチーフプロデューサー)

リクルートやITベンチャー企業などを経てゼイヴェルに入社した永谷氏は、
第1回TGCからかかわり、今やTGCの顔ともいうべき、欠かせない存在だ。
永谷氏に、TGCが支持される理由と、今後めざす方向性について聞いた。

構成=濱田 優 写真=鰐部春雄

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人気の理由はどこにある?
クロスメディアの特性

「TGCは決して1日だけ、会場内だけで完結するファッションイベントではないんです」
永谷氏が言うように、TGCはほかのファッションショー、ファッションイベントとは異なる。大きな特徴として、「クロスメディア」であることが挙げられる。開催前から当日、イベント後まで、ケータイやパソコンにメールマガジンが届く。メールやブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じて情報は伝播、口コミで広がるのは、今ならでは。当日はショーの様子が配信されるため、会場に行けなくても“参加”できる。
ファッションショーでありながら、テレビ番組や映画の撮影、アーティストのライブもある。アーティストのファンだけが集まることがないよう、出演者はチケット先行販売後に発表する念の入れようだ。
イベントの様子が後日、TGCのムック本としてまとめられる点も、女の子にとっては魅力だ。ショーの様子、当日紹介されたアイテムだけでなく、モデルの私物や人気ブランドのプレス(広報担当者)やスタイリストのオススメのアイテムも登場。オシャレな来場者の写真も紹介しており、人気は高い。本は無料で、TGCに参加したブランドや、ウェブサイト(http://tgc.st/)で買い物をするともらえる。
永谷氏は、「ステージで強力なコンテンツを用意し、あらゆる形で提示することで、当日会場に来られなかった女の子にも楽しんでもらえるイベント」と意義を語る。
TGCの大きな特徴は、人気モデルが着ている服がその場で買えること。当日は、会場限定でメルマガ会員化し、ショーが終わるたびにメールが届き、“いま目の前を通ったモデルが着ていた服”を買える。会場に行けなくても、自宅のパソコンから購入できる。
永谷氏は言う。「女の子って、買おうと思ったらそのときに買わないと後で買ってくれない。大事なのは、『カワイイ!』と思った、その感動の瞬間に買えること」。そうした“女性心理”をしっかりと読んだ販売手法が確立されているのだ。

人気ブランドの共通項

ファッションにはトレンドがある。異なるブランドから、“似たような服”が生まれる。ブランド間の違いが希薄になってしまうのではないか。差別化するのは何か。
「たしかにトレンドはあって、どのブランドも、一つの似た方向へ向かう傾向はあります。その中でも、人気のブランドは独自のコンセプトを持っていて、売れるモノを知っています。いま女の子たちが着たいもの、身につけたいものが何かを知っている」(永谷氏)
商品力がカギとなるのだろうが、そう単純な話でもない。永谷氏は、「一つ可愛いアイテムがあっても、自分のファッションにあわなければ、女の子は買いません。人気ブランドに共通しているのは、商品力だけでなく、スタイリングがしっかりできていることです」と説明する。
ゼイヴェルが運営する通販サイト「girlswalker.com」も、見せ方には相当こだわっている。たとえば、トップス(上半身につける服)の写真を撮影する際も、ボトム(ズボンやスカートなど下半身につける服)にもこだわり、バランスやコーディネートを意識している。「数センチ四方の写真を撮るだけですが、スタイリストをつけて、コーディネートで魅せます。一つのスタイリングにも気が抜けない」(永谷氏)。細かな気配りがなければ、女の子の気持ちはひきつけられない。

北京での成功と社会的責任

3月28日には、中国・北京で2回目となるTGCin北京を成功させた。中国最大規模のファッション展示会「中国国際服装服飾博覧会」にあわせて行われ、今回初めて、ネットとの販売連動を実現させた。
過去にも政府や公的機関、業界団体が、ファッションなどの文化を紹介するイベントを開催したが、単なる“見本市”で、商品を持って行って、展示するだけだった。
TGC in 北京は、中国で高い人気を誇る日本人モデルや中国の人気モデルを中心に起用し、中国の女の子たちのハートもつかんだ。「海外に日本のリアルクローズを浸透させたい」という永谷氏らの意気込みは着実に伝わりつつある。
大きく成長したTGCは今後、どうなるのだろうか。永谷氏は、「PR力の強いイベントなので、ブランドのセカンドライン(別ブランド)や、スポンサー企業の新商品発表の場に活用するなど、できることはたくさんある」という。
認知度が高まったことから、社会的責任が増していることも意識している。第6回のTGCでは、乳がんの早期発見を訴える「ピンクリボン運動」とも協同した。運動には、これまでも多くの企業やメディアが参画しているが、大きなうねりになったとは言いがたい・・・


続きはFJ6月号で



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