世界で一番魅力的な
バリュー投資は日本小型株

長期保有が
株式投資の大前提
―― ファンドの特徴は?
われわれは基本的に、割安さを重視するバリュー投資家。財務体質が強く健全で、リーディングカンパニーでありながら事業規模が小さい小型株への投資に特化している。投資対象を日本企業に限定した独立系の投資顧問会社だ。
―― なぜ日本の小型株に特化を?
最近は世界的に“ジャパンパッシング”ともいえる現象が見られ、日本人でさえ中国、インド、ベトナムへと投資対象国を広げている。しかし私は、世界で一番魅力的なバリュー投資の対象は、日本の小型株だと考えている。日本ほど法制度が整い、政治リスクが少なく、経営が健全でありながら過小評価された中小企業が多い経済先進国は世界でも珍しい。
―― なぜ“ジャパンパッシング”の風潮が強いのか?
日本は世界第2位の経済規模を誇り、高度に洗練されており、多くの勤勉な国民を擁している。同時に古い歴史をもつ奥の深い文化大国でもある。にもかかわらず、先進国の中では株式市場のリターンも配当率も、また金利も低い。
日本経済の実力と投資リターンの間には“いびつな関係”があり、このギャップが大きすぎる。
これは事実として否定できない。海外の投資家は仮に日本の実力を評価したとしても、投資リターンを優先してほかの国に資金を向けざるを得ない。
これはある意味では日本にとって「事故」であり、日本の貯蓄者にとっては非常に不幸な現象。ましてや少子高齢化の中で、この状態を続けてはいけない。ただし私は今後、この状態が十分に変わり得ると思っている。経営者、従業員、株主を含めた「win-win-win」の関係を構築することは可能だし、実際に日本は今その方向に進み始めている。この変化の兆しは、海外の投資家には、まだあまり見えていないのかもしれない。その意味で今は、日本市場が海外から過小評価されていると思う。
―― 投資スタイルは?
「狭く」「深く」「集中的」に投資するスタイルをとっている。
多くの日本企業は終身雇用の中で従業員を大切にし、お客さまとも長い関係を維持しているので、投資家にもそれに対応した長期保有が大前提の投資スタイルが求められる。時間をかけて徹底的に調査をし、投資価値があると判断すれば、その後は長期保有に徹して、ステークホルダー全員が成長を通じて恩恵をけられるように支援する。
―― 具体的な保有期間の目標は?
最低でも半年~1年をかけて投資対象を調査するので、費用対効果を考えても1~2年で売却することはない。長期保有を前提とするからこそ、事前の調査にコストをかけることができる。具体的な保有期間は設定していないが、可能であるなら半永久的に保有し、経営陣とのお付き合いを通じて信頼関係を作っていきたい。



