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二大政党制への道、再び~田勢康弘×北川正恭

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「自民党、自滅」――。7月 29日投開票の参議院選挙で、 
自民党は予想をはるかに超える数の議席を減らした。
参議院で野党が過半数を占める「歴史的敗退」となったが、首相は早々に続投を宣言した。 
今後の日本の政治はどうなるのか。どうあるべきなのか。   
元日本経済新聞政治部記者で、数多くの首相を取材した政治ジャーナリストの田勢康弘氏に、  
衆議院議員と県知事を務め、今は「マニフェスト」普及を提唱し続ける北川氏が迫った。 
構成=濱田 優 写真=鰐部春雄 

<中略>

北川 しかし、首相は早々に続投宣言しました。
これについてはどう思われましたか。

田勢 予想外でした。
 一般論ですけど、政治家の出処進退というのは、
子どもたちに与える影響がものすごく大きいんですよ。
どういうときに責任をとるのかを形でいちばん示すのは、
政治家の出処進退だと思いますよ。
それを自民党のごく一部の、言ってみれば
ご本人を含めて5人がコソコソ会って、もうこれでいこうと。
あのときと同じですよ。

北川 森内閣ができたとき。

田勢 そうです。結果的に続投するならするでいいんですが、
その前に敗因を分析しなければ。「これが問題だったんじゃないか」
「マニフェストのここが受けなかったのではないか」とか意見を出して議論して。
そのなかで、「辞めろ」「続投すべき」という意見も出したうえで、
最終的に「もうちょっと頑張ろう」というなら、それでもいい。
その議論がなく、いきなり続投宣言とは……。

北川 自民党内から、「辞任せよ」などという強い声が上がってこない
という点についてはどう思われますか。

田勢 実は、そういう批判をしそうな議員数人に電話をして、
「なぜ黙っているの?」と聞いたんですよ。

北川 確認したんですか(笑)。

田勢 「いつのまにか言論の“不自由党”になっちゃったのか」と。

北川 周りの様子を見ているんですよね。

田勢 だから、「辞めろ」という声が周りから上がりだすと、
皆一斉に言うようになるでしょう。

北川 ところが、それは内向きの発想ですよね。
なぜここまで国民に目が向かないのでしょうか。
 田勢さんはずっと政界を見てきて「そんなもんだ」という思いも
あるでしょうが(笑)、それにしても少しひどすぎませんか。

田勢 ひどすぎますね。小選挙区制になって執行部の力が
強くなったとか、いろんな理由があるにせよ、
それ以前の問題で、ちょっと政治家の根性が腐ってきている。
一体、何のために政治家になっているのか。

北川 かなりお怒りになっているようですね(笑)。

田勢 まあ腹立たしいことばっかりで、ひとりで怒っているんですけどね(笑)。
本当にひどいものですよ。

それに加えて、マスコミもなぜかおとなしい。「辞めるべきだ」と書いたのは
朝日新聞だけですよ。こんなにひどい大敗なのに。
「これで責任を取らなかったら、いつ責任取るんだ」という感じがするでしょう。

北川 「ピンチの時こそチャンスだ」と思う気概、「ここで勝負をかける」
という政治センス、エネルギーが今の自民党にはないですよね。

<中略>

2院制の意義を感じた野党大勝

北川 参議院の存在意義、2院制の必要性について
疑問視する声があります。

田勢 実は私も、もともと1院制でいいと思っていたんです。
 ただ衆議院は現在、自公で7割の絶対勢力を持っています。
この勢力で1院だけだったら、もうやりたい放題ですよ。
 そのときに、今回のようにもう1つの院で半数を割らせることができるなら、
全体として考えた場合には、なかなか絶妙なのかな、と思うようになりました。
自民党支持者からすれば、「だからひどいんだ」ということになるのかもしれませんが。

北川 今、地方の選挙について研究を進めているのですが、
県議の選挙を半分ずつやったらどうかと思っています。
半分を改選して、2年後に残りの半分を改選するという形です。

田勢 ああ、米国の中間選挙と同じ方法ですね。

北川 地方議会は衆参のように2つに分かれていませんが、
半分はは知事の任期中に選ばれるようにする。
そうすることで、議会は1つでもバランスが取れるのではないかと考えています。
 今後は、参議院のあるべき姿というものについて考えなければいけないと思っています。

田勢 米国の2院制を見ても、「政治の良識」というものは、どちらかというと
上院が持っている。ああいう形はいいと思います。選挙区にこだわらず、
大局的な、国家を論じるような存在を置くことには意味があると思います。
 だいたい1院制にしようと思っても、参議院が大反対するでしょうから、
実現は難しい。だから、「2院制は維持したままで、
衆参で役割をこう分担しよう」という議論、提案が求められるでしょう。

北川 そういうふうにしないとね。参議院で議案が通らなかったから、
衆議院を解散しちゃうなんてことが……(笑)。

田勢 あれ(2005年の郵政解散)については
当の小泉さん本人が「ちょっとまずかったな、
ルール違反だったな」なんて言っていますけどね(笑)。

北川 そういうことが起こり得る以上、
国民、有権者は政治を監視しないといけない。
国、政治、民主主義のバランスを保ち、
行き過ぎを是正するための仕組みづくりは、
常に考えていかなければいけない問題です。

詳しくはFJ10月号で



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